物忘れがあるから・庭で転倒することがあるから、遠くまで1人で行くことはできない。
そう考えていたのは本人以外でした。
忘れた時には周囲の人に聞く事ができる。
長年何度も利用していた交通機関の利用方法は体に染みついている。
長い距離を歩くと足腰は痛くなるが、休みながらであれば移動ができる
本人は自分の事をきちんと理解していたため、電車を乗り継ぎ県内の目的地まで行き、目的地で目的を果たし、夕方前に自宅へ帰ってくることができました。
家族が心配していることや、自分が以前と比べて記憶力、体力筋力が落ちていることも分かっていました。
家族もまた、心配しながらも、送り出し、迎え入れる事ができました。
何かあった時には大変な問題になってしまう。
電車を間違えて行ったことのない土地に行ってしまい、そのまま帰ってこれなくなってしまうかもしれない。
歩き疲れて転んで骨折してしまうかもしれない。
足を踏み外して電車とホームの間に挟まってしまうかもしれない。
バックやお金を忘れてきてしまうかもしれない。
こう考えてしまうと何もできません。
自宅にいれば迷子になることもないし、お金を使う事もない。歩き疲れて転ぶこともない。とても安全です。
でも彼は目的をもって目的地に出かけ、目的を果たしてからは自宅に帰る事を目的として帰ってくることができました。
できなくなってしまったことに執着せず、リスクを考えてあきらめる事をせず、今できる事に目を向けて日々楽しく生きている彼はとてもかっこいいと思いました。
(居宅スタッフ)